京都市交通局は2022年3月19日(土)に市営地下鉄・市バスのダイヤ改正を実施し、利用状況に応じた見直しによる運行コスト削減を図ります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の2019年度までは、人と公共交通優先の「歩くまち・京都」が市民ぐるみで推進され、増便や系統新設などの積極策が実施されてきました。地下鉄・市バスとも利用者数が順調に増加してきたものの、感染拡大により2020年度の利用者数は大幅に減少し、これまで積み上げてきた客数増の成果が吹き飛ぶ水準まで落ち込んだとのことです。
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このままの状況が続くと安定経営の維持が困難となるため、経営健全化に向けた取り組みをできることから速やかに着手する必要があるとしています。このため当初、2022年秋に実施する予定とされていた地下鉄のダイヤ改正は、少しでも早く経費削減に取り組むため一部が前倒しで実施されます。
第1段階として2022年3月19日(土)に実施されるダイヤ改正では、直通運転先への影響が少ない夜間時間帯(21時以降)において、烏丸線・東西線ともそれぞれ4本の減便が行われます(詳細は下表を参照)。朝・夕ラッシュ時間帯および始発・最終列車の時刻変更は行われません。また、利便性向上策として、烏丸御池駅での停車時間を確保することにより全方向に乗り継ぎができる「シンデレラクロス」について、現行の最終列車に加え、最終列車の1本前でも同様の乗り継ぎができるよう設定されます。
第2段階として昼間時間帯について直通運転事業者との調整が行われ、2022年秋頃に実施予定のダイヤ改正において烏丸線・東西線それぞれ8本の減便が行われます(詳細は下表を参照)。これらの見直しにより、全体では1日あたり24本の運転本数が削減されます。
市バスのダイヤ改正では、2020年4月から断続的に運休している急行系統および循環2号系統(京都岡崎ループ)について、現状の輸送量では他の系統でも十分代用が可能であるとして休止されます。同じく運休が続いている深夜バスについては、生活様式の変化による夜間時間帯の運行ニーズ低下を受けて廃止となります(詳細は上表を参照)。また、主に運転本数が多い系統を対象として昼間時間帯以降の減便が行われますが、赤字を理由にした生活路線の廃止は行わないとしています。
そのほか、京都バスおよび西日本ジェイアールバスとの連携強化を図り、民間バス事業者の輸送力を活用して市バスの一部路線を共に運行する取り組みが行われます(詳細は上表を参照)。また、新しい停留所「西大路九条」(東西行)が設置されるほか、「上終町京都造形芸大前」は大学名変更に合わせ「上終町・瓜生山学園 京都芸術大学前」に名称変更されます。
交通局では、これらのダイヤの見直しにより地下鉄で約6千万円、市バスでは約8億5千万円の経費削減効果を見込んでいるとのことです。